広間
太田屋は北広島町岩戸にある昭和五年に建てられた
トタン茅葺平家建ての古民家。
広島工業大学建築デザイン学科の学生さんのデザインで
林業家の営むモダンな一棟貸しの宿に生まれ変わりました。
この古民家にはかつて「太田のおじいさん」が住まれており、
身寄りがなかったようなので名前だけでも残してあげたい。
そのような思いで『太田屋』と名付けました。
自然に囲まれた場所で
「薪を使った暮らし」「きこり体験」
が楽しめる宿です。
宿の前には小川があり、六月には目の前でホタル観賞ができる。
田んぼから聞こえてくるカエルの声
満天の星空、雪景色を眺めながら
ゆったりとした時間を過ごすことも・・・。
たたみ部屋・洋間
改修前は、農村古民家の構造でもある田の字型の間取りとなっており、デイ(居間)・オモテ(座敷)・ダイドコ(食事場所)・ナンド(寝室)と土間で構成されていました。いくつかリフォームされておりましたが、ダイドコ部分の壁や床板をはがすと煤で真っ黒、床にはいろりが残っていました。現在はダイドコとナンドを寝室。デイとオモテをリビング、土間をトイレやシャワールーム、キッチンと玄関に改修しております。
リビング
田園風景を眺めることのできる開放感のあるリビング。薪割体験などをした後、土間部分では椅子に座って会話を楽しむ事や板の間では寝そべってゆったりとしたお時間を過ごす事ができます。
茅葺屋根
茅葺屋根と言えば世界文化遺産の「白川郷」などの合掌造りが有名ですが、のどかな農村にもたくさんありました。茅葺屋根はの対応年数は15年程度とも言われ、田舎でも残りわずかとなっています。太田屋は外見はトタン葺きとなっておりますが、そのおかげで内側は茅葺が残っておりました。
障子硝子
古いものは壊れたり、捨てられてきた現代。そのような中でも昭和初期の障子硝子が太田屋に残っておりました。また、雨風や寒さを防ぐ袋窓もあり昔の人の知恵と生活をうかがう事ができます。
炊事
キッチン
太田屋と同じ地域の会館に数十年眠っていた『竈門』。かつては行事の炊き出しをするために使われていたそうです。太田屋を始めるために『竈門』を譲ってほしいと地域の方々に話したところ、「この場所に多くの方が来て、竈門が復活するなら使いんさい。」と快く頂戴する事ができました。
数十年の時を経て再び活躍できる竈門を使って炊事を堪能されてみられるのはいかがでしょうか。
竈門
キッチンの天板はイチョウの木の一枚板を使用。IHクッキンヒーターを設置しており、竈門といった昔ながらの炊事と現代の炊事のどちらのスタイルでも自炊が楽しめます。